1.「教科前基礎教育」という考え方
こぐま会の提唱する教科前基礎教育とは、小学校入学以降に始まる教科学習を支える考え方の基礎を、子どもたちの生活や遊びにテーマを求め、発達段階にみあった内容と方法で指導しようというものです。ですから、「早期教育」という考え方とは異なり、その時期にふさわしい方法で、基礎体験を積み上げることをこぐま会では求めています。
2.「事物教育」の実践
幼児期の教育方法の基本は、事物に対する働きかけを、どこまで保障してあげられるかということに要約されます。つめ込み主義の教育では、どれだけ多くの情報や知識を注入するか、ということに教育全体が集中してしまい、そのような指導では、論理的な思考力が育つはずはありません。こぐま会では、子どもたちの主体的な働きかけを最大限ひきだす、できる限り具体物を用いた授業を考えています。
3.「対話教育」の実践
幼児期の教育は、文字を読ませたり書かせたりする前に、指示を聞いて問題を考えたり、考えたことを言語で説明したりすることを基本とします。特にペーパーワークでは、「できた – できない」で子どもの能力を判断しがちですが、できても、できなくてもどのように考えたかを言語化させることによって、子どもの思考のプロセスを把握し、適切なアドバイスをすることが必要です。また、「言語を通して思考を育てる」ためには、対話教育を実践することが、大変重要になってきます。


